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コンプライアンス推進体制

アステラスは、法令遵守のみならず高い倫理観をもって 行動することが、すべての活動のベースになると考えてい ます。そのために、アステラスでは経営理念を具体的な企 業行動レベルで表したものとして「アステラス企業行動憲 章」を策定し、これをグローバルに共有しています。そし て、国内外を問わずグループに所属するすべての役員・従 業員に共通に適用される行動規範として、「アステラスグ ループ行動規準」を定めています。行動規準には、役員・従 業員が業務を遂行するにあたり、法令を遵守し、かつ倫理 的に行動することを明記しています。

アステラスは、ルールや体制を整備・実行・継続強化する ことにより、コンプライアンスを推進し、高い倫理観をもっ て行動することで、社会からの信頼獲得と企業価値の向上 を目指しています。

グローバルコンプライアンス体制図(2017年4月現在)

倫理・コンプライアンス

アステラスは、コンプライアンス担当役員(CECO*)お よびグローバル・コンプライアンス委員会を設置し、コンプ ライアンスを推進しています。グローバル・コンプライアン ス委員会は、CECOが議長を務め、コンプライアンス機能 長や各地域・機能の事業長・機能長が参加しています。

2016年4月と2017年4月には、すべての地域にわたっ て贈収賄・不正対策および個人情報保護を担当する専門 部門をそれぞれ設置しました。さらに、コンプライアンス・

グループ・オペレーション部門を設置し、さまざまなコンプ ライアンス活動がグローバルで一貫した形で実施される よう管理・調整を行っています。この活動には、研修やコ ミュニケーション、リスクマネジメント、モニタリング、コン プライアンス調査、規程・プロセスの管理が含まれます。

この体制のもと、グローバルに事業を展開する中でコン プライアンス機能と各部門の連携を強化し、あらゆる活動 においてコンプライアンスの実践に取り組みます。そして、

社員一人ひとりが誠実に、倫理と法令遵守の精神をもって 企業活動を遂行できるようサポートしています。

* CECO:Chief Ethics & Compliance Officer

コンプライアンス委員会 コンプライアンス責任者

日本・東アジア

コンプライアンス委員会 コンプライアンス責任者 東南アジア・南アジア・

香港・オセアニア

コンプライアンス委員会 コンプライアンス責任者

米州

コンプライアンス委員会 コンプライアンス責任者

EMEA コンプライアンス担当役員(CECO)

コンプライアンス・グループ・オペレーション機能 コンプライアンス機能長

反贈収賄・反不正責任者 データプライバシー責任者

グローバル・コンプライアンス委員会

コンプライアンス推進の取り組み

ヘルプラインの設置

コンプライアンスに関する新たな規程・プロセスを制定 した際や既存の規程・プロセスを改定した際は、さまざまな 研修・コミュニケーションを通じて社員のコンプライアンス 意識の醸成を図っています。また、新たにコンプライアンス 機能に配属されたすべての社員に総合的な配属時研修を 行っています。さらに、すべての新任コンプライアンス責任 者を対象に、ヘルスケアコンプライアンス、反贈収賄・反不 正行為、内部調査プロセス、利益相反、個人情報保護、透明 性報告をはじめ、業務に関わるさまざまなコンプライアン ス課題について研修を実施しています。研修は、オンライン 研修、ライブ研修など、さまざまな方法で提供しています。

2017年3月期は、社員のコンプライアンス意識向上の ため、さまざまな方法でコンプライアンスに関するメッ セージを発信しました。その一つとしてIntegrity in Actionプログラムをグローバルに展開し、各地域の本社 および複数のグループ会社の拠点で活動を行いました。

このプログラムでは、専門的知識を持つコンプライアンス 機能の社員が開催地を訪問し、社員にとって有益なさまざ まなコンプライアンス関連の情報を提供しました。また、事 業部門の責任者も、社員に対するプレゼンテーションを通 じて、コンプライアンスに関するメッセージの浸透を図りま した。

2016年4月に独立したコンプライアンス機能を設置後、

アステラスでは、社員が「声を上げる」ことのできる企業文 化を組織全体に浸透させる取り組みを進めています。潜在 的な問題や懸念を社員が迅速に報告する企業文化を醸成 することで、重大なコンプライアンス問題への発展を未然 に防止することに努めています。また、「声を上げる」ことの 重要性を、コンプライアンス機能からだけでなく、事業部 門の責任者からも社員に定期的に説明しています。

こうした企業文化の醸成に注力した結果、2017年3月 期のコンプライアンスに関する報告件数は、前期より増加

有効で堅固なコンプライアンスの基盤を確立するには、

法律違反にまでは至らない行動に対して会社がどのよう に考えるかが重要になります。法律に違反していなくても、

また、誰も見ていない場合であっても、倫理・コンプライア ンスの観点から自らの行動を評価する必要があります。こ れを誠実かつ倫理的に行うことで、誰に見られていても通 用する行動のあり方が分かるようになります。

利益相反は、社員の社外での活動、あるいはその他の 個人の利害が、業務遂行時の客観的な判断に影響を与え るときに生じます。また、社員個人の利害とアステラスの 利害が一致しない場合にも生じます。こうした認識のもと、

アステラスは2017年3月期に、利益相反に関する規程の 内容を見直し、グローバル共通の新たな規程を制定しまし た。2018年3月期からはこの規程に関する研修をグルー プ全体で開始する予定です。

アステラスは、この規程と研修を通じて、全社員に倫理観 を浸透させ、すべての業務を誠実に遂行するよう促します。

コンプライアンス上問題のある行為を発見した場合に、

問題解決のために報告・相談できる窓口として、各地域に

「ヘルプライン」(ホットライン)を設置しています。社員は、

ヘルプラインを各地域の母国語で利用することができ、多 くの国では、社内窓口と社外窓口を併設し、ヘルプライン の利用方法について定期的な研修・周知も実施していま す。日本では、ヘルプラインとは別に、「セクシュアルハラス メント相談窓口」も設置しています。

社員がヘルプラインをより利用しやすくなるよう、環境 づくりも進めています。内容が十分な根拠に基づくもので なかった場合であっても、善意で行った懸念の表明や違反 の報告であれば、それを理由に利用者が不当な扱いを受 けない旨を規程などに定めています。

2017年3月期、各地域でヘルプラインに寄せられた報 告・相談の内容は、ハラスメントやプロモーションコード違 反などでした。これらについては慎重に調査し、個々の事 案に応じて適切に対処しています。

コンプライアンス研修の実施

Integrity in Actionプログラム

「声を上げる」ことのできる企業文化の醸成

グローバル利益相反規程の制定

コンプライアンス上の課題に対する モニタリング体制

贈収賄・不正行為防止の取り組み

他のグローバル製薬企業と同様、アステラスは、反贈収 賄・反不正のリスク、個人情報に関するリスク、医療関係者 との交流に関わるリスク、サイバーセキュリティのリスクな ど、さまざまなコンプライアンスリスクに直面しています。

これらのリスクをグローバル・地域・国の各レベルで効率的 かつ効果的に評価する体制を構築することは、コンプライ アンスを進めていく上での土台となり、既存・新規のコンプ ライアンスリスクを早期に発見し、迅速に対応することを 可能にします。

また、グローバルで一貫した内部コンプライアンスリス クの評価プロセスを定めることにより、アステラスは適切 な情報に基づいて、リスクが高い分野に的確に経営資源を 配分することができます。各国においても、グローバルお よび地域のコンプライアンス機能の支援のもと、内部コン プライアンスリスクを評価しています。

内部コンプライアンスリスクの評価は、重大なリスク を伴う企業活動を外部(市場リスク)環境とともに実施し ます。具体的には、医療従事者への報酬等を伴う活動、

アステラスと政府関係者あるいは医療従事者間でのやり とり、企業間の公正競争、個人情報保護、臨床試験、贈答・

接待などが該当します。コンプライアンス機能は、内部コ ンプライアンスリスク評価の全プロセスにおいて、事業部 門と連携し、発見されたリスクに対する軽減策の立案を支 援しています。

ビジネスが一層グローバル化する中、贈収賄や不正行 為防止への取り組みは世界各国でますます強化されてい ます。直接的な贈収賄のみならず、取引先を通じた間接的 な贈収賄が摘発されるケースも多くあり、贈収賄・不正行 為の防止に向け、自社だけでなく取引先まで含めたコンプ ライアンス意識の強化が重要となっています。

アステラスは反贈収賄・反不正の分野においてグローバ ル責任者を設置しており、各地域や国のコンプライアンス 機能および事業部門が連携し、アステラスグループ行動 規準やグローバル反贈収賄・反不正行為規程、政府関係者 や医療従事者に支払等を行う際に適用されるその他の規 程・プロセスの遵守を図っています。

また、社員の理解を深めるため、反贈収賄・反不正行為 に関するさまざまなコンプライアンス施策について、定期 的に研修を実施しています。

アステラスは2017年3月期に、コンプライアンス違反の 可能性があるすべての報告案件(受付の方法は問わない)

を追跡調査するための手順を改善しました。コンプライア ンス機能はこれらの報告を分析し、不正行為の傾向などが 他の組織でも発生しているかどうかを判断しています。ま

内部コンプライアンスリスクの評価

コンプライアンス違反報告に対する調査

た、これらの報告および分析結果を、関連する組織の責任 者と共有し、コンプライアンス違反の可能性がある行為を 早期に発見し、社員に意識付ける体制を整えています。

これらの手順は、コンプライアンス調査に関する規程お よび手順書に詳細に定めました。さらに、アステラスは、コ ンプライアンス機能および内部調査に関わる部門のス タッフを対象に、これらの規程類についての研修を実施し ています。なお、調査はコンプライアンス機能と法務・人事 部門が連携して実施しています。

アステラスは、すべてのコンプライアンス調査を公正 に、客観的に、効率的にかつ一貫性をもって実施するとと もに、不正行為が立証された場合にはそれに見合った適切 な処分を行うこととしています。結果的に不正が立証され なかった場合であっても、善意で不正の疑いを報告したの であれば、それを理由に社員が不当な扱いを受けることは ありません。

ドキュメント内 アステラス製薬 | アニュアルレポート2017 (ページ 67-71)

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